
2025年11月7日~21日は、二十四節気(にじゅうしせっき)の「立冬(りっとう)」。
冬のはじまりの節気です。
東洋医学における冬とは、栄養やエネルギーを体内に貯蔵する季節。冬の間に体の内側にしっかりと蓄えた生命力が、翌春からの1年間の健康と若々しさを支える土台となります。
そんな冬のはじまりである立冬の養生法について、国際中医師・国際薬膳師の筆者がご紹介します。
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<次の節気>小雪(しょうせつ) 2025年11月22日〜12月6日
<前の節気>霜降(そうこう) 2025年10月23日〜11月6日
立冬は「冬のはじまり」の季節 2025年は11月7日~21日

木々がだんだんと色づいてきて、紅葉シーズンはこれからが本番。
立冬とはいえ、景色は秋の色合いが濃厚のように思われます。
しかし空を見上げてみると、太陽がすっかり低い位置に。
立冬の日(11月7日)の日の高さは38度。真昼の太陽が、まるで昼下がりのような風情です。
1年で最も日が高くなる夏至(6月21日)が77.8度、立秋(8月7日)が70.7度、秋分(9月23日)が54.2度なので、比べてみてもかなり低いことがわかります。
ちなみに、1年で最も日が低くなる冬至(12月22日)は30.9度なので、高度で見ると立冬の太陽は真冬の一歩手前まで来ているといえるでしょう。
※データはすべて2025年東京の南中高度です。

人間が紅葉を待ちわびる頃、植物や昆虫はもう冬本番

そんな太陽の低さ、日の短さにいち早く反応するのが植物。
太陽の光が弱まって木々の光合成が鈍ってくると、多くの落葉樹はエネルギーの消費を最低限まで抑えるために葉を落とし、枝を伸ばすのを止めて、地上ではほとんど動きのない休眠状態に入ります。
一方で地下の根はじわじわと活動を続け、エネルギーをしっかりと蓄えつつ、温かい日は細根を伸ばして水分や栄養分を少しずつ吸収して冬の厳しい寒さをしのぐ態勢に。植物だけでなく昆虫も、日の長さに敏感に反応して越冬の準備をするといいます。
人間が紅葉を待ちわびている立冬の頃、太陽のリズムで生きる植物や昆虫はすでに冬本番を迎えているのです。
二十四節気の立冬を「秋」と感じる感覚と「冬」と感じる感覚の違い

立冬といっても11月頭、まだまだ秋⋯⋯と、感じる人も多いかもしれません。
はたして立冬は秋でしょうか? 冬でしょうか?
1年の二十四節気のリズムは、そのまま1日24時間のリズムに当てはめることができます。
立春は1日24時間に置き換えると午前3時に相当し、以降、春分は午前6時、夏至は正午、秋分は18時となります。
そして、立冬を1日24時間に置き換えると、21時。
21時といえば「まだまだ元気に活動できる時間」と感じる人もいれば、「ゆったりくつろぎながら寝る準備をはじめる時間」と感じる人も。人によってとらえ方が真逆にもなる時間帯といえます。
ところで、21時を「まだまだ元気に活動できる時間」ととらえる感覚は、「立冬はまだ秋」ととらえる感覚と似ていると思いませんか?
そして21時を「ゆったりくつろいで寝る準備をはじめる時間」ととらえる感覚は、「立冬は冬のはじまり」ととらえる感覚に似ていませんか?
前者は現代生活的な感覚、後者は自然のリズムに寄り添った感覚といえると思います。
養生的な生活をめざすなら、「立冬は冬のはじまり」「21時はゆったりくつろいで寝る準備をはじめる時間」というように、自然のリズムに寄り添った感覚で生活するのがおすすめ。季節の移ろいや朝昼夜の変化に心や体がリンクして、より健康な状態へと導かれるでしょう。
立冬の養生:21時からの「閉蔵(へいぞう)」をルーティンに

冬のはじまりである立冬は、1日に置き換えると21時。
そこで立冬の期間は、“21時を意識した養生”をとり入れてみてください。
東洋医学では、冬は「閉蔵(へいぞう)」の季節と表現します。閉蔵とは「外側の出入り口を閉じて内側にしまう」という意味。家の扉や窓をしっかり閉めて室内の温度や湿度を守るように、体から熱や水分が逃げてしまわないように体表面をしっかり防寒して、体の内側に栄養分や水分を閉じ込めて蓄えることが冬の養生のテーマになります。閉蔵の養生で体内に蓄えた栄養分や水分が、翌春からの新たな1年の心身を支える健康と若々しさの土台となるのです。
この立冬からはじまる閉蔵になぞらえて、21時からは“閉蔵の時間”とし、翌日に備えて体内に栄養分や水分を蓄える時間としてみましょう。具体的には、次のことをできる範囲でルーティンにしてみてください。
◉21時までに入浴をすませる
入浴後90~120分に深部体温がゆるやかに低下するため、21時までに入浴すると22時半~23時頃に眠気が強くなりスムーズに眠りにつけるようになります。また、入浴は体を温める半面、発汗によって体内の水分を消耗するので、“閉蔵の時間”である21時よりも前に終えておくのが理想的です。「21時までに全身を温めて、21時以降は心身を鎮める」と考えて、できるだけ21時までに、難しい場合は21時台のうちに入浴をすませましょう。
◉21時をすぎたら照明を落としてくつろぎモードに
照度の低い空間は脳をリラックスモードに導きます。21時をすぎたら照明を暗めにしましょう。光色を暖色系に調整したり、間接照明でやさしい明かりにしたり、キャンドルを灯したりするのもおすすめです。
◉21時以降は足湯や湯たんぽで下半身を温めて頭寒足熱に
熱は上昇する性質があるので頭部に集まりやすい傾向がありますが、頭部に熱が集まったままだと興奮状態になり、寝つきが悪くなってしまいます。就寝前に足を温めると末梢の血流が広がり、気(き=エネルギー)や血(けつ≒血液)が下に降りて頭部の熱感がやわらぐため、頭寒足熱となって眠りにつきやすくなります。
◉21時以降はテレビ、PC、スマホをオフ
ブルーライトを浴びると、脳が昼間だと錯覚をして体内時計が乱れる原因となります。逆にいえば、ブルーライトをオフにすると脳が「夜が来た」と認識するということ。21時になったらテレビ、PC、スマホをできればオフに、難しければ見る頻度を減らすなどしてうまく切り替えてみてください。
◉21時をすぎたら寝る準備のケアを
21時をすぎたらリラックスしてくつろぎながら、深呼吸を数回繰り返しましょう。鼻から4秒息を吸い、2秒息を止めて、口から6秒息を細く長く「ふ~」と音を立てながら吐く「4-2-6呼吸法」がおすすめ。数回繰り返すだけで、心身の緊張がやわらぎます。
また、21時をすぎたら飲みものは白湯かなつめ茶(飲み方・選び方・おすすめ) がおすすめ。体を温める飲みものを飲みましょう。
そして22時半頃にはベッドに入って、眠気が訪れるまでゆったりと過ごしてください。
心身を活動させるのは21時まで、21時からは閉蔵の時間を過ごす。そんな、21時の区切りを意識した生活を毎日のルーティンにすることで、「立冬は冬のはじまり」という季節のリズムがだんだんと心身になじんでくるでしょう。
葉を落として地上の活動を休眠し、地下の根に力を蓄えてじっと寒さに耐える木々のように、生命力を内側に秘めて蓄えていくイメージで過ごしてみてください。
参考文献:国立天文台HP 暦計算室 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
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