【二十四節気の東洋医学】2025年の「立夏」はいつ?季節の不調と薬膳・ツボ・養生法を紹介

「山笑う」春が過ぎ、いよいよ「山滴る」夏に。その夏のはじまりの節気が「立夏」です。
立夏の時期は五月病に悩む人も多いと思います。また、この季節は動悸、息切れ、もの忘れ、不眠などの不調も現れやすくなります。
そこでぜひ、立夏に最適な薬膳やツボ押し、生活養生などをとり入れて、季節の不調を予防してください。

草木が芽吹き、地中から冬ごもりの虫がはい出て、生命の息吹にあふれた
そこから太陽が強く照り、万物がたくましく成長するへと季節が移りました。

2025年の5月5日〜5月20日は、その夏のはじまりである「立夏(りっか)」二十四節気(にじゅうしせっき)の7番目の節気で、昼と夜の長さが同じになる春分(3月20日)と、昼が最も長くなる夏至(6月21日)の中間点にあたります。

立夏といえば、緑滴る季節。新緑の葉が太陽の光をたっぷりと浴びてきらきらと輝き、どんどん生い茂って生命力を増していきます。
また、新茶が収穫され、端午の節句では柏餅やちまき、菖蒲湯などで男児の成長を祝うなど、“緑の葉”にまつわる慣習の多い季節でもあります。

1年で最も過ごしやすいさわやかなときですが、太陽はすでに夏モード。夏バテや熱中症といった夏本番の時期の不調を防ぐためには、今からしっかりと夏の養生を行っておくことが大切です。

二十四節気とは……
節気とは四季をさらに細かく分けた、約15日間の期間のこと。そして二十四節気とは1年を立春から大寒までの24の節気に分けた暦。1年で最も昼が長い日を夏至、最も昼が短い日を冬至と定め、夏至と冬至の中間点で昼と夜が同じ長さになる日を春分秋分と定めて1年を四季に分け、さらにその四季をそれぞれ6等分し、合計24個の節気に分けています。
明治5年までわが国で使用されていた旧暦(太陰太陽暦)では、季節を表す暦として二十四節気が用いられていました。
なお、暦における1年が365日なのに対し、地球が太陽の周りを1周する公転周期は365.2422日で、約6時間の誤差があります。そのため二十四節気の日付は固定しておらず、年によって約1日程度前後することがあります。

夏は日が長くなり高く昇る、1年で最も太陽の勢いが強い季節です。
立夏(5月5日)の日の長さは13時間46分、日の高さ(南中高度)は70.6度で、最も昼が長い夏至(6月21日)の日の長さや高さにかなり接近しています(夏至の日の長さは14時間35分、日の高さは77.8度)。立夏の時点ですでに、太陽の勢いが最盛期に入っていることがわかります。

太陽の勢いが強いということは、植物の光合成もさかんで栄養がどんどん作り出されているということ。そしてその植物を動物がどんどん食べて栄養を獲得し、体を大きく成長させていくということ。太陽のエネルギーを受けて植物も動物もどんどん代謝し、エネルギーを燃焼して、成長し繁栄していくわけです。

人間も自然の一部なので、夏になると自然界の動植物と同じように太陽のエネルギーを受け取り、さかんに代謝して、エネルギーを燃焼し、心身をたくましく成長させていきます。

代謝がさかんになるということは、代謝に必要な血液の循環がさかんになるということ。これは、五臓の心(しん)の働きがさかんになることを意味します。つまり夏は心の働きがさかんになる季節であり、立夏は心の働きがさかんになりはじめるタイミングというわけです。

※日の長さ、日の高さのデータはいずれも2025年の東京の場合です。

五臓とは……
五臓とは、人間の体のしくみを大きく5系統に分類した東洋医学の考え方。肝(かん)、心(しん)、脾(ひ)、肺(はい)、腎(じん)の5つがありますが、西洋医学における肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓とその定義や働きはイコールではありません。五臓はそれぞれ季節との関わりも深く、春は肝、夏は心、秋は肺、冬は腎、土用(季節の変わり目の時期)と梅雨は脾の働きがさかんになります。

五臓の心の働きは西洋医学における心臓の機能も含まれますが、それだけではありません。
心の働きには、主に次のようなものがあります。

心の主な働き

①血(けつ≒血液)を作る働き
②心臓と血管を拍動させて血を全身にめぐらせる働き
③精神活動をコントロールする働き

 
◉心気(しんき)とは
夏のはじまりである立夏は、この心の働きがさかんになりはじめるタイミング。
いわば「心にエンジンをかけようとするとき」で、そのためにはエンジンを動かす燃料が多く必要になります。
その心の燃料となるのは「心気(しんき)」。気とはエネルギーのことなので、心気とは心のエネルギーということです。心気は、①の血を作り出す力や、②の心臓や血管を拍動させて血を全身へとめぐらせる力、③の精神的な元気をもたらす力などになります。

心気の働き】
・心で血を作り出す力となる
・心臓や血管を拍動させる力となる
・精神を元気にする力となる

 
◉心血(しんけつ)とは
また、心が正常に働くためには、心臓や血管をめぐる血の量が十分にあることも必要です。心臓や血管を通って全身をめぐる血のことを「心血(しんけつ)」と呼びます。心血には全身に栄養や潤いを補ったり、精神活動を安定させたりする働きがあります。
ちなみに、血には全身をめぐる心血以外に、肝(かん)に蓄えられている「肝血(かんけつ)」もあります。心血がたっぷりと生成されれば余った血が肝に貯蔵されて肝血となり、心血が不足した場合は肝血から補充されます。

心血の働き】
・全身をめぐって栄養や潤いを補う
・精神活動を安定させる

心にエンジンをかけるには、燃料となる心気と、全身をめぐる心血が必要です。
立夏はこの心気と心血をしっかり補うことが、養生のポイントとなります。

立夏は多くの心気や心血を必要とする季節なので、心気や心血が不足していると次のような不調が現れやすくなります。

①動悸、息切れ、精神的な疲労感
心気が不足すると、心臓を鼓動させる力が不足するため、動悸や息切れが起こりやすくなります。また、心の精神活動をコントロールする働きも弱くなり、精神的な疲れを感じやすくなります。

②ふらつき、もの忘れ、不眠
心血が不足すると、血が体内を十分にめぐることができず、頭部に血がめぐりにくくなります。すると、脳に十分な栄養が行き届かなくなるため、ふらつきやもの忘れなどが起こりやすくなります。また、心の精神活動が不安定になり、不眠の傾向も現れます。

心気や心血を補うことは上記の不調予防になるほか、精神的な疲労や精神不安定の回復にもつながるので、五月病の予防にも役立ちます。

①たまご

中国では「立夏にたまごを食べると熱中症にならない」といわれています。たまごには心血を補って精神を安定させる性質があり、不眠をやわらげてくれます。さらに、体に必要な水分も補うので、暑さによる水分不足対策にもなり、熱中症や夏バテの予防にも役立ちます。
また、うずらのたまごは心気と心血の両方を補うので、立夏の時期は積極的にとることがおすすめです。
立夏の期間は、毎日ゆでたまごを食べることを習慣にするといいでしょう。そのほか、同じく血を補う食材であるにんじんと組み合わせたにんじんしりしりにんじんオムレツなどは、この時期にぴったりの薬膳となります。

②小麦

小麦は「しょうばく」という名の生薬として漢方薬の原料にも用いられている食材。心を強くして精神を安定させる性質に優れており、うつ、不安感、不眠などの改善に役立ちます。
心血を補う食材であるたまごと組み合わせたたまごサンドフレンチトーストカルボナーラパスタ月見うどんなどは、立夏にぴったりの薬膳となります。

③牛乳

牛乳は心気と心血の両方を補う食材で、虚弱体質、疲労、精神的な疲れ、不眠などの改善を助けます。牛乳をたっぷり使うグラタンミルク煮ミルクスープなどのメニューがおすすめです。

④なつめ

心気と心血の両方を補い、心を強くして精神を安定させる性質に優れた食材です。疲労、めまい、精神的な疲れ、精神不安定、不眠などをやわらげます。そのままおやつとして食べることもできるほか、薄切りにして100℃のオーブンで30分ほど焼くと甘くてカリカリとした食感のなつめチップスになります。また、なつめの実を1~2個ちぎってティーポットに入れ、熱湯を注いで2~3分ほど蒸らすとなつめ茶に。残ったなつめも一緒にいただきましょう。

◉酸味の食材
東洋医学では、食材や生薬を酸味(さんみ)・苦味(くみ)・甘味(かんみ)・辛味(しんみ)・鹹味(かんみ)という5つの味に分類しています。これを「五味(ごみ)」と呼びます。
このうち酸味に分類されている食材には、収斂作用があり、発汗を抑えて体内の水分を保つ性質があるので、暑さで汗をかきすぎて水分不足になるのを防いでくれます。暑いときは積極的にとることがおすすめです。
酸味の食材には、トマト、キウイフルーツ、マンゴー、いちご、オレンジ、パイナップル、レモンなどがあります。

◉鹹味の食材
鹹味は五味のひとつで「塩からい味」をさし、主に魚貝類や海藻類などが多く分類されています。鹹味の食材は心気を助けるので、特に暑いときはよくとるといいでしょう。いか、たこ、ほたて、あさり、しじみ、わかめ、のり、昆布、ひじき、豚肉などがあります。

◉苦味の食材
苦味は五味のひとつで、主に余分な熱をとる性質や、余分な水分をとる性質などを持つ食材などが分類されています。苦味は心に入りやすい(心に作用しやすい)ことから、夏は苦味の食材がおすすめです。この時期は緑茶、アスパラガス、かぶなどがあります。

◉涼性の食材
東洋医学では、食材や生薬の体を冷やしたり温めたりする性質を、寒性(体をよく冷やす)・涼性(体をやや冷やす)・温性(体をやや温める)・熱性(体をよく温める)に分類しています。これを「四気(しき)」といいます。なお、体を冷やしも温めもしない食材は平性と呼ばれます。
立夏になると心の働きがさかんになり、体内に熱が生まれてきます。体内に余分な熱がたまらないように、体をほどよく冷やす涼性の食材をよくとるといいでしょう。

立夏におすすめの涼性の食材

野菜類……レタス、きゅうり、セロリ、ほうれんそう、小松菜、なす、だいこん、おくら、ミント
果物……マンゴー、いちご、オレンジ、びわ
穀類……あわ、大麦、小麦、そば

 

◉精神を安定させて心気を補う「神門(しんもん)」

指で手首のしわを小指側へとなぞるとぶつかる、一番小指側にある骨の手前のくぼみ。心を落ち着かせて、動悸、もの忘れ、不眠などの改善を助けます。左右それぞれ数回ずつ押しましょう。

◉血液循環を整えて心血を補う「心兪(しんゆ)」

肩甲骨の下から3分の1の高さで、背骨と肩甲骨の中間点にあるツボ。左右にあります。自分で押すのは難しい場所なので、家族に押してもらうか、背中用のツボ押し棒で背骨と肩甲骨の間をマッサージする、もしくはうつ伏せになってホットタオルを乗せるのも◯。心臓の裏に位置するツボで押すと血液循環が改善され、動悸、息切れ、精神的な不安定、不眠などをやわらげます。

◉1日のうちで心の働きが最もさかんになるのは11~13時なので、この時間帯に心に負担をかけないように意識してください。昼食後に軽く昼寝をする、もしくは数分間静かに目をつぶるなどして心を休ませるといいでしょう。神門のツボをこの時間帯に押すのもおすすめです。

◉心は精神活動をコントロールしているので、喜怒哀楽の波が激しいと心に負担がかかります。特に、焦りや怒りなどの感情は心への負担が大きいので注意してください。感情をおだやかに保ち、ゆったり楽しく過ごしましょう。

◉太陽のエネルギーが強くなり、体内にも陽気(熱エネルギー)がこもりやすくなります。ウォーキングなどで軽く汗をかくことで体内の余分な熱を発散しましょう。汗はかきすぎると必要な水分やエネルギーを消耗してしまいますが、適度な発汗は体内の熱を上手に逃がす養生になります。

◉陽気が強くなり体に熱がたまりやすくなりますが、冷たい飲食物で熱をとろうとすると脾(ひ=胃腸)が冷えて消化吸収力が低下し、栄養が不足するため、心気や心血の不足につながります。体内の余分な熱は涼性の食材でとるようにし、冷たい飲食物は控えましょう

◉立夏のおすすめの養生法は森林浴です。樹木から放出される香り成分のフィトンチッドにリラックス作用があるほか、森林の緑を見ること、香りをかぐこと、鳥のさえずりや水の流れる音を聞くことなどにもリラックス効果があることがわかっています。深呼吸をし、紫外線に注意して背中を日光浴すると、心身ともにに活力が湧いて元気になれますよ。

普段なかなか自然に触れる機会がないという人でも、暦やことばを通じて自然とつながることができるもの。自然とのつながりは、きっとあなたの心や体を健康へと導く道しるべとなります。

七十二候(しちじゅうにこう)でつながる立夏の自然

七十二候(しちじゅうにこう)とは、二十四節気の各節気をそれぞれ約5日ずつ「初候」「次候」「末候」の3つに分け、1年を72の期間に分けた暦です。自然の移ろいがより細やかに、鮮明なビジュアルでイメージできる暦となっています。
2025年の立夏は、七十二候で次のように分けられています。

◉初候「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」 5月5日~5月9日

田植えの時期となり、米農家は最も忙しいときに。そのかたわらで、かえるたちは水が張られた田んぼで繁殖期を迎え、にぎやかに鳴きはじめます。
街ではなかなかかえるの声を聞くことはできませんが、農村ではかえるの声が「夏のはじまり」の合図。せわしない農作業の様子とおすがえるの大合唱は、初夏の活力を感じさせますね。かえるは稲の害虫を食べるので、米作りを助ける存在でもありました。
なお、その年にはじめて聞くかえるの鳴き声は「初蛙(はつかわず)」と呼ばれます。かえるの声に初夏の喜びを感じた日本人ならではの感性がうかがえます。

◉次候「蚯蚓出(みみずいづる)」 5月10日~5月14日

冬眠から目覚めたみみずが、地上にはい出てくる頃。
みみずなんて気持ち悪い……と思われがちですが、地中に穴を掘って土を耕し、落ち葉や動物の死骸などを食べて分解し、養分にして土に還す「自然の鍬(くわ)」と呼ばれる存在です。みみずが土壌を豊かにしてくれるから植物が育ち、多くの生物が食糧を獲得でき、生命がめぐりつづけている。「地球の虫」という呼び名もあるほど、自然界を支えている偉大な生き物なのです。

◉末候「竹笋生(たけのこしょうず)」 5月15日~5月20日

たけのこには孟宗竹(もうそうちく)、淡竹(はちく)、真竹(まだけ)などがあり、この時期は主に淡竹、真竹のたけのこが旬を迎えます。たけのこは成長が早く、すぐに親竹と同じぐらいに伸びることから「たけのこの親勝り」ということわざがあったり、ものごとが次々と現れる様子を「雨後のたけのこ」と表現したりと、勢いがいいイメージがありますね。万物が繁栄する夏のはじまりを象徴しているようです。

立夏の言葉

◉風薫る
「風薫る五月」などの季節のあいさつでもおなじみの、立夏を象徴する言葉。新緑の草木を吹き抜けるさわやかな南風をさします。語源は漢語の「薫風(くんぷう)」で、もともとは平安時代に花の匂いを運ぶ風を表す言葉として使われていたそうです。確かに「薫風」という響きはバラのような甘美な香りを運んできそうですが、「風薫る」はもっと軽やかで、フレッシュな若葉の香りを運んでくれそうです。

◉薄暑(はくしょ)
この時期の、少し汗ばむ程度の暑さをこう表現します。本格的な暑さには及ばないものの、かすかにそのきざしとなる陽気が感じられるよう。「薄暑光(はくしょこう)」という言葉もあり、こちらは薄暑の光の明るさやまぶしさを表現しています。真夏のギラギラした光ではなく、キラキラした高揚感のある光が思い浮かびます。

◉新茶
立春から数えて八十八日目(今年は5月1日)を「八十八夜」といい、新茶の収穫期となります。立夏はその新茶が出回る季節。なかでも八十八夜に摘まれた新茶は、不老長寿の縁起物として昔から珍重されてきました。薬膳的には、緑茶には体内の余分な熱を冷ます性質があるので、初夏の熱気はおいしい新茶でやわらげるのがおすすめです。

◉卯の花(うのはな)

「卯の花」と聞くとついおからを想像してしまいますが、それは白くふわふわとした見た目になぞらえて名づけられた呼び名。その由来となる元祖の「卯の花」とは、空木(うつぎ)の花です。夏のはじまりを知らせる花として古くから愛され、立夏の自然を表すさまざまな言葉に用いられています。例えば、卯の花と月が美しい夜を「卯の花月夜(うのはなづくよ)」、卯の花が咲く頃に海に立つ白い波を「卯波(うなみ)」、卯の花を腐らせてしまいそうなこの時期の長雨を「卯の花腐し(うのはなくたし)」、この時期のくもり空を「卯の花ぐもり」と表現します。

◉花菖蒲(はなしょうぶ)

立夏の植物というと、端午の節句の菖蒲湯に入れる菖蒲の葉を思い出す人もいるでしょう。「花菖蒲」というとこの菖蒲に咲く花だと思われがちなのですが、実はまったく別の植物。菖蒲はサトイモ科、花菖蒲はアヤメ科の植物で、菖蒲に似た葉を持つ花だったことから「花菖蒲」と名づけられました。これに対し、本来の菖蒲は「葉菖蒲」とも呼ばれています。
ちなみに菖蒲は「あやめ」とも読みますが、花菖蒲、あやめ、かきつばたは似ているもののこれまた別の植物。もちろん、葉菖蒲とあやめも別の植物です。まぎらわしいので、間違える人が多いのも仕方がありませんね。

◉芍薬(しゃくやく)

幾重にも花びらが重なる美しい大輪の花を咲かせる芍薬は、この時期が見頃。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と、美人をたとえる表現にも用いられる花ですが、実はこの言葉は漢方薬に配合される生薬を表してもいるのです。
「立てば芍薬」の「立てば」は「気が立っている場合は」という意味で、女性のイライラなどの症状には芍薬(芍薬の根)を配合した漢方薬が適している、ということを表しています。芍薬が配合されている代表的な漢方薬には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)がありますが、これはストレスによる月経不順などに用いられます。
「座れば牡丹」は、座ってばかりだと血行が悪くなることから血行不良には牡丹皮(ぼたんぴ=牡丹の根皮)を配合した漢方薬がいい、という意味。「歩く姿は百合の花」は、風に揺れる百合の花のようにふらふらと歩いている人には、不眠や精神不安定などに用いる百合(びゃくごう=百合の地下茎)を配合した漢方薬がいい、という意味なのだそうです。

次の節気は5月21日~の「小満(しょうまん)」です。木々の緑がどんどん色濃くなり、精気に満ちてくる季節となります。

参考文献:
『日本の365日を愛おしむ-季節を感じる暮らしの暦ー』本間美加子 著、飛鳥新社 刊

『気象予報士天達流 四季の暮らしと二十四節気の楽しみ方』天達武史 著、産経新聞出版 刊
『花と短歌でめぐる 二十四節気 花のこよみ』俵万智 著、KADOKAWA 刊
『花と暦を楽しむ366日 -あなたに贈りたい、季節の花-』森乃おと 著、暦生活 監修、森田竜義 監修、玄光社 刊

データで見る国立公園の健康効果とは?(環境省HP) https://www.env.go.jp/nature/nationalparks/pick-up/health/
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花(北海道立衛生研究所HP) https://www.iph.pref.hokkaido.jp/charivari/2007_10/2007_10.htm

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Adobe Stock、Envato、photoAC、イラストAC

著者プロフィール
TSUBO

国際中医師・国際薬膳師
東洋医学ライター

広島生まれ、東京育ち。2019年より広島県在住。
大学卒業後、雑誌・書籍・WEBコンテンツの編集者をへて、国際薬膳師、国際中医師の資格を取得。現在は「自然と人体のつながり」をテーマに東洋医学ライターとして活動中。

宝島社「大人のおしゃれ手帖WEB」(https://osharetecho.com/)にて「50代のこよみ養生」を連載中。

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