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【暦とからだ|立秋】熱気で高ぶる体をクールダウン。疲れ・乾燥・便秘・性機能の不調を予防する「下半身強化」の季節

二十四節気「立秋」のイメージ。まだ青いどんぐりの実

2026年8月7日~8月22日は、二十四節気(にじゅうしせっき)の「立秋(りっしゅう)」です。「暦の上では秋のはじまりだけれど、秋の気配などまったくない」といわれることが多いですが、果たして本当にそうでしょうか?
秋は「実り」の季節。そのはじまりである立秋は「実り」のはじまりを感じられる季節です。そして同時に、私たちの体にも「実り=下半身強化」がはじまるとき。自然界の「実り」のはじまりに触れ、体の内側の「実り」を呼び覚ますことが、秋の最初の養生となるでしょう。

ここでは東洋医学にもとづいて、立秋の自然と人間の体のつながりを独自の視点で探り、季節と調和して自然との一体感を感じられる養生法をご案内していきます。自然の中に私たちの体を、私たちの体の中に自然を見出してみてください。

<前の節気>大暑(たいしょ) 2026年7月23日~8月6日
<次の節気>処暑(しょしょ) 2026年8月23日~9月6日

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立秋は「秋のはじまりの季節」

二十四節気「立秋」のイメージ。夏の入道雲と秋のうろこ雲やすじ雲が入り混じる「行合(ゆきあい)の空」
立秋の頃になると、夏の入道雲と秋のうろこ雲やすじ雲が入り混じる「行合(ゆきあい)の空」が広がるようになります。

2026年8月7日~8月22日は二十四節気(にじゅうしせっき)の「立秋(りっしゅう)」。秋のはじまりとなる節気ですが、いまだに猛暑の真っ只中。「秋が来たなんて考えられない」「まだまだ夏真っ盛りだ」そう思われる人も少なくないでしょう。

確かに気温だけに着目すると、今なお夏が続いているかのよう。夏バテや熱中症のリスクも依然として高い状態です。

しかし一方で、煮えたぎるようだった蒸し暑さが少し乾きはじめているように感じたり、朝夕に時折気持ちのいい風が吹いたりして、「ピークを折り返したかな?」と思える瞬間が少しずつ増えていくのではないでしょうか。

2026年~2027年の二十四節気表。2026年の立秋は8月7日~8月22日
秋のはじまりの節気である立秋。8月頭からお盆過ぎ頃までの時期にあたります。

実は立秋以降、自然界で大きく変化していることがあります。
それは、日の長さが急激に短くなりはじめるということ。

昼が最も長かった「夏至(げし=6月21日)」から「小暑(しょうしょ=7月7日)」を経て「大暑(たいしょ=7月23日)」に至るまでは、日の長さは約14時間半~14時間とピークから大きくは変わりませんでした。しかし立秋以降は、各節気ごとに約30分ずつ日が短くなるため、夜の訪れが日に日に早くなるのを実感できるようになります。たとえ暑い日々でも、夕暮れどきになると秋の気配を感じることがあるかもしれません。

二十四節気「立秋」のイメージ。夕暮れどきの浜辺
立秋になると、夕暮れが少しずつ早まっていくように。秋のきざしを肌で感じられます。

【立秋の自然】「繁茂」の季節から「実り」の季節へ

二十四節気「立秋」のイメージ。青いいが栗
青いいが栗が大きくなりはじめる立秋。実をつけるのは7月頃ですが、大きくふくらみ出すのは8月上旬~中旬頃です。

立秋以降、日の長さが加速度的に短くなっていくのを、動物や植物は敏感に察知します。なかでも植物は光の変化を感知すると「夏モード」から「秋モード」に切り替わり、葉を増やしたり枝や茎を伸ばしたりする成長活動をストップさせて、子孫を残すことや寒い冬を越すための準備にエネルギーを注ぎはじめます

植物にとって春から夏は成長と繁茂の季節です。夏の間、光合成によって大量に作られていた糖(デンプン)は、細胞分裂がさかんで新しい葉が生えたり枝や茎が伸びたりする「成長点」と呼ばれる場所に送られていました。成長点は主に枝や茎の先端や葉のつけ根などにあり、四方八方に点在しているので、光合成で生成された糖も四方八方へと広がるように送られていました。外向き・上向きに糖が拡散されていたといい換えることもできます。

夏は光合成によって大量に作られていた糖(デンプン)が、主に枝や茎の先端や葉のつけ根などにある成長点に向かって外向き・上向きに拡散される
春から夏は、植物は葉を増やしたり枝や茎を伸ばしたりする成長活動に重点的にエネルギーが使われるため、成長点が多く存在する枝や茎の先端、葉のつけ根などに向かってエネルギー源となる糖が外向き・上向きに拡散されます。

しかし立秋を過ぎると成長が止まり、これまで外向き・上向きに拡散されていた糖は、枝から垂れ下がる実や種、地下の根などに向かって内向き・下向きに集中して送られるように。これにより、立秋頃からどんぐりや栗、柿、ゆず、みかん、ぶどうなどの木の実や果実が大きくふくらみはじめます。きっとみなさんの周りでも、木の実が大きくなっているのを見つけることができるはず。ぜひ木を見上げて探してみてください。

立秋の時点では木の実や果実は青く、熟れて色づいてくるのはまだ先ですが、ここから内向き・下向きに送られる糖の量が多くなればなるほど実はよく熟し、栄養豊かな種が育ち、生命力の土台となる根がより強固に発達していくのです。

立秋を過ぎる頃から植物の成長活動はストップし、エネルギー源である糖は、枝から垂れ下がる実や種、地下の根などに向かって内向き・下向きに送られる
立秋を過ぎる頃から植物の成長活動はストップし、エネルギー源である糖は、枝から垂れ下がる実や種、地下の根などに向かって内向き・下向きに送られるようになります。
二十四節気「立秋」のイメージ。大きくふくらんだ青柿
6月中旬頃に結実した柿の実は、立秋を迎える頃になると大きな青柿に。秋の訪れを知らせる風物詩です。

立秋は、エネルギーが外向き・上向きに拡散された「繁茂」の季節から、内向き・下向きに集約される「実り」の季節へと切り替わる節気。この大きなシフトチェンジが、秋の豊かな実りを生み、冬を乗り越える強い生命力を養い、子孫繁栄をもたらします。

【立秋の天人合一】エネルギーを下半身に送って生命力の糧に

二十四節気「立秋」のイメージ。青いぶどう
立秋を過ぎると植物が下向き・内向きに糖を送って果実を大きく育てていくように、人間の体も秋になるとエネルギーを「下向きに降ろす」力が強くなります。

天人合一(てんじんごういつ)───これは、「天(自然界)と人間は一体である」という意味の東洋医学の言葉。この天人合一の言葉の通り、立秋の季節に起こる自然の変化と人間の体には、不思議なつながりがあります。

自然界で植物が「実り」の季節へとシフトチェンジするように、人間の体もエネルギーの流れが上向き・外向きから下向き・内向きへと大きく変わります。そのカギとなるのは、「五臓(ごぞう=体の機能を大きく5つに分けた東洋医学の考え方)」「肺」の働きです。

秋は肺の働きが活発になりはじめる季節であると、東洋医学では考えられています。

東洋医学でいう肺の働きとは、単に呼吸をするだけではなく、呼吸にともなうさまざまな作用も含まれています。その中核となる働きが、呼吸の「吐く力」にともなって体のエネルギーや栄養、水分を上向き・外向きにめぐらせる「宣発(せんぱつ)」と、呼吸の「吸う力」にともなってエネルギー・栄養・水分を下向き・内向きにめぐらせる「粛降(しゅくこう)」です。

東洋医学における肺の宣発と粛降の説明図。吐く息にともなう上向き・外向きの力が宣発、吸う息にともなう下向き・内向きの力が粛降
肺の主な働きである「宣発」と「粛降」。呼吸にともなう作用で、宣発と粛降がワンセットになって、寄せては返す波のように体内のエネルギーや栄養、水分を上げたり降ろしたりして体中にまんべんなく行き渡らせています。

宣発と粛降は呼吸の呼気と吸気にともなってワンセットで働く作用ですが、特に秋のはじまりである立秋から働きが強くなっていくのが、下向き・内向きにめぐらせる粛降です。

夏の間、私たちの体は熱を逃がすために毛穴を全開にして、汗とともにエネルギーを体外へと発散していました。これは宣発の力が大きく影響していたものです。しかし立秋を迎える頃になり、空気が乾燥しはじめるのを肌で感じるようになると、水分やエネルギーが体外へ発散されすぎないように下向き・内向きへと降ろして下半身の深い部分へと押し込んでいくようになります。これが粛降の力です。

植物が内向き・下向きに糖を送るのは、実や種、根を養うため。厳しい冬を乗り越え、次世代へと命をつなぐためでした。
私たちの体のなかで、立秋から粛降の働きが強くなるのもまた、同じ目的。肺の粛降で内向き・下向きに送られたエネルギーや栄養は下半身の最も奥、腰にある五臓の「腎(じん=生命力を蓄える場所)」へと届けられ、強い生命力を育み、性機能を維持する助けとなっていきます。まさに体の中で起こる「実り」といえるでしょう。

【立秋の東洋医学】「肺→腎」の下向き・内向きの流れを強化

東洋医学の五臓には前述した肺と腎のほかに「肝(かん)」「心(しん)」「脾(ひ)」があります。これらの五臓にはそれぞれ活動がさかんになる季節があり、春は肝、夏は心、秋は肺、冬は腎、季節の変わり目(土用)や梅雨は脾が、それぞれ働きが強くなると考えられています。

下図を見てください。春は体内で肝による上向きに発散する力が、夏は心による循環させて代謝を高める力が、秋は肺による下向きに降ろす力が、冬は腎による奥へ引き込んで蓄える力がそれぞれ強くなります。この五臓の四季の変化は、植物が春には芽吹き、夏には繁茂し、秋には実が熟し、冬には根に栄養を蓄えて春に備えるという循環を繰り返すしくみととてもよく似ています。

東洋医学の五臓と季節の関係。春は肝の働きが、夏は心の働きが、秋は肺の働きが、冬は腎の働きが強くなる
春になると肝が体内の奥にこもっていたエネルギーを上向きに引き出して発散し、夏になると動き出したエネルギーを心がよく循環させて代謝を高め、秋になるとエネルギーの消耗を防ぐために肺がエネルギーを下向きに降ろし、冬になると厳しい寒さを乗り越えるために腎がエネルギーを体の最も奥へと引き込んで蓄えていく。そして春になると再び肝によって、体の奥に蓄えていたエネルギーが上向きに引き出されていく──人間の体も植物と同じように、春→夏→秋→冬→再び春、という循環を繰り返しています。

立秋は秋のはじまりであり、肺の下向きに降ろす力=粛降が活発になりはじめる時期。その肺の粛降は、腎の奥へ引き込む力=「納気(のうき)」と連動しています。

納気とは、肺の粛降によって体の下部に降りてきたエネルギー(気)を、さらに体の奥まで引き入れて納める(蓄える)働き。腎の働きが最もさかんになるのは冬ですが、その準備段階である秋から、肺の粛降と腎の納気は連携して下向き・内向きの力の流れを作り、体力を蓄えています。

東洋医学における肺と腎の協力関係。肺の粛降と腎の納気はお互いに協力し合う関係
肺の粛降による「下向きに降ろす力」によって、腎はエネルギーを受け取り、奥へと納めて生命力を蓄えていきます。この肺→腎の連携による下向き・内向きの力は、生命力を高めるために欠かせないエネルギーの流れです。

肺の粛降は、腎の納気の力を借りることで下向きの流れをより強くすることができます。一方、腎の納気は肺の粛降の力を受け取ることではじめて発揮されます。肺と腎は、お互いに助け合い補い合って内向き・下向きの力の流れを作っている協力関係にあるのです。

この<肺の粛降→腎の納気>という下向き・内向きの力が不足すると、秋から冬にかけて次のような不調が現れやすくなります。

・乾燥しやすくなる
せきが出やすくなる
・呼吸が浅くなる、息切れしやすくなる
・疲れやすくなる
・たんが多くなる
・むくみやすくなる
・便秘しやすくなる
・尿の出が悪くなる
・足腰がだるくなる

・性機能の不調が現れやすくなる

これらの不調の多くは、内向きの力が弱いために水分やエネルギーが体外に漏れ出しやすくなったり、吸い込む力が弱いために吸い込んだ空気がすぐに逆流したり、老廃物を下に降ろして排泄する力が弱くなったりすることで現れます。また、腰に位置する腎へ十分な気や栄養を送れなくなることから、腰まわりの不調も現れやすくなります。

さらに、腎は性機能やホルモンバランスに深く関わっている場所でもあるため、下向きの力が弱くなると性機能の不調も現れやすくなります。

冬に腎が十分な力を発揮するためには、秋にしっかりと肺の粛降の力を高めて、肺と腎との連携を強化することが欠かせません。秋にしっかりと実が熟さなければ、冬に良質の種が落ちないのです。

大気中にはいまだにあり余るほどの夏の熱気が残っていますが、それでも季節は秋。体が秋のスタートを肌で感じ取れるように、夏の養生から秋の養生へとメリハリをつけてスイッチすることが立秋の養生のコツです。成長・活動の夏から成熟の秋へ、ここからはエネルギーの流れを下向き・内向きに切り替えるべく、大きく舵を切っていきましょう。

【立秋の養生】エネルギーの流れを下向きに切り替えて「下半身強化」を

ここからは立秋におすすめの「下半身強化」養生法をご紹介します。できそうなものから少しずつとり入れてみてください。

①丹田(たんでん)呼吸

丹田(たんでん)の位置の説明図

立秋の期間にぜひ毎日行ってほしいのが「丹田(たんでん)呼吸」。丹田とはおへその指4本分下にある、エネルギーが集まる場所。「関元(かんげん)」と呼ばれるツボがある位置でもあります。この丹田を意識した呼吸を行うことで、肺の粛降と腎の納気を鍛えることができます。

あお向けになるか椅子に浅くこしかけて、リラックスした状態で口からふうっと息を吐き出しましょう。息を吐ききったら、鼻からゆっくりと息を吸い込みます。このとき、吸い込んだ空気が胸からみぞおち、そしておへその下の丹田までまっすぐ降りていくのを意識します。横隔膜が下がり、おなかの底に力が満ちてくるのを感じたら、2~3秒ほど息を止めてキープ。この数秒間で、おなかの底に下ろした力がしっかりと定着します。その後、口からゆっくりと息を吐き出していきましょう。以上を5回繰り返します。丹田呼吸は仕事や家事の合間や就寝前など、気づいたときに行うといいでしょう。

②酸味の食材

東洋医学の「酸味」のイメージ。レモン白湯

梅干し、レモン、お酢、すだち、かぼす、トマトなどの酸味の食材には、体内の気や水分が漏れ出ないように体表を引き締めて内向きの力の流れを作る「収れん作用」があります。秋のはじまりである立秋は、できるだけ酸味の食材を毎日とるようにするといいでしょう。大量にとる必要はなく、少量を加えればOK。特に朝食と昼食に酸味の食材をとり入れるのがおすすめです。

<おすすめメニュー例>
・朝一番の水分補給に白湯や常温の炭酸水にレモンやすだち、かぼすなどをひとしぼり
・朝食に梅干しを添えたおかゆをとる
・昼食の副菜には酢のものやピクルス、マリネなどを選ぶ
・麺類やスープに少量の黒酢や米酢を回しかける
・トマトは炒めもの(卵炒めなど)やスープなど、加熱して食べる

③アロマ半身浴・足浴
立秋の時期は全身浴よりも、体内の気の流れを下向きに引き降ろす半身浴がおすすめ。さらに肺や腎の力を助けるサンダルウッド、サイプレス、フランキンセンスなどの精油を使ったアロマ半身浴を行うと、より効果的に肺の粛降や腎の納気を高めることができます。さらに週に1~2回のスペシャルケアとして、アロマ足浴もぜひとり入れて。足を温めることで、上半身に浮き上がった気を足元へ強力に引き降ろすことができます。

<アロマ半身浴>
38〜40℃のぬるめのお湯をみぞおちあたりまでつかるように湯船に張ります。天然塩大さじ1に精油を合計1~3滴たらして混ぜ、お湯にとかしてよくかき混ぜましょう。湯船には20~30分ほど、じんわりと下半身が温まるまでつかります。 入浴中に前出の丹田呼吸をあわせて行うとより効果的。そして入浴後は、酸味の食材であるレモンをひとしぼりした白湯で水分補給をするといいでしょう。

<アロマ足浴>
洗面器やバケツに40~42℃の少し熱めのお湯を2Lほど入れます。大さじ1の天然塩に精油を1~2滴たらして混ぜ、お湯にとかしてよくかき混ぜましょう。椅子にこし掛けてお湯に足をひたし、10~15分ほど足浴をしましょう。このとき丹田呼吸もあわせて行うとより効果的です。足浴後はすぐにタオルで足を拭き靴下を履いて保温を。足元に集めた気と熱を逃さないようにしましょう。足浴後にレモンをひとしぼりした白湯を飲むと、下へ降ろした気をしっかりと内側に閉じ込めることができます。アロマ足浴は、疲れがひどいときや残暑の暑さで体に熱がこもっているときにもおすすめです。

④「湧泉(ゆうせん)」のツボ押し

湧泉(ゆうせん)のツボの位置説明図

お風呂上がりや就寝前に、体の一番下に位置するツボである「湧泉(ゆうせん)」のツボ押しをしましょう。湧泉は腎につながる経絡(けいらく=気の通り道)のスタート地点であり、ここを刺激することで、肺から腎への下向きの流れを強力にサポートすることができます。

足の指をギュッと曲げたときに一番へこんでいる場所が湧泉のツボです。そこに両手の親指を重ねて置き、息を細く長く吐きながらイタ気持ちいいと感じる力加減で3~5秒ほど押しましょう。その後、息を吸いながらゆっくりと親指の力を抜きます。以上を左右の足それぞれ5回ずつ繰り返しましょう。特に気がたかぶっているときや、考えごとや焦りで頭がいっぱいになっているときなどに、頭に昇った気を降ろして落ち着かせる効果が期待できます。

おわりに

立秋の自然と体とのつながりの話、いかがでしたでしょうか。

厳しい残暑が続きますが、自然をよく観察してみると秋のきざしがちらほら。朝夕がわずかに涼しくなったり、夏の雲と秋の雲が入り混じる行合の空が広がったり、木の実が大きくふくらみはじめることは先に述べましたが、そのほかにも夕暮れどきにはヒグラシツクツクボウシが、夜になると鈴虫コオロギが鳴くようになります。こうした「小さい秋」を探すのは、立秋の時期しか味わえない楽しみ。「小さい秋」を見つけたときは、なんともいえない豊かな気持ちになれるものです。

二十四節気では、秋は立秋から「霜降(そうこう=10月23日~11月6日)」までの約3ヶ月間となりますが、秋分を境に気候が大きく変わります。秋分までの秋の前半は暑くて乾燥する「温燥(おんそう)」、秋分以降の秋の後半は寒くて乾燥する「涼燥(りょうそう)」と呼ばれる季節になります。

二十四節気の秋の節気。秋分までの秋の前半は暑くて乾燥する温燥(おんそう)、秋分以降の秋の後半は寒くて乾燥する涼燥(りょうそう)。

気温の暑さだけに着目して過ごしていると、秋分頃まで夏気分で過ごすことになってしまいます。すると、夏の発散モードを秋の中盤まで引きずることになり、エネルギーや水分を過剰に発散しすぎる可能性が。その結果、秋分前後に体力が低下して秋バテを起こしたり、肌やのどの乾燥がひどくなったりして、秋から冬にかけて体調を崩しやすくなってしまうかもしれません。

気温だけでなく、日の長さや植物や動物の小さな変化にも目を向けて、秋のはじまりを感じとって。立秋の時期に「小さい秋」に触れることができれば、体も自然と秋モードにシフトチェンジしていくでしょう。

参考文献:
国立天文台HP 暦計算室 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
『鍼灸学[経穴篇]』(天津中医薬大学、学校法人衛生学園 編、東洋学術出版社刊)

『中国伝統医学による食材効能大事典』(山中一男・小池俊治編、東洋学術出版社刊)
『食薬方剤学』(本草薬膳学院刊)

画像素材:
Adobe Stock、Envato、Canva

著者プロフィール
TSUBO

国際中医師・国際薬膳師
東洋医学ライター

広島生まれ、東京育ち。2019年より広島県在住。
大学卒業後、雑誌・書籍・WEBコンテンツの編集者をへて、国際薬膳師、国際中医師の資格を取得。現在は「自然と人体のつながり」をテーマに東洋医学ライターとして活動中。

宝島社「大人のおしゃれ手帖WEB」(https://osharetecho.com/writer/50786/)にて「更年期の養生」を連載中。

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