
2月4日の立春から新たにはじまった二十四節気。2月19日~3月4日は、その2番目の節気である「雨水(うすい)」になります。
立春は「湧き上がる」季節でしたが、その次の雨水は「蓄える」季節。これから1年間の活力の土台を蓄える養生をしませんか?
<前の節気>立春(りっしゅん) 2026年2月4日~2月18日
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雨水は「雪どけ水が樹木に蓄えられる季節」

ひたすら寒い日が続いた季節から、寒い日々と暖かい日々が交互に訪れる三寒四温の季節となりました。長らく山に積もっていた雪もようやくとけはじめ、雪どけ水で川の水量が増し、山の土がぬかるんできます。カラカラに乾燥していた空気も、少しずつしっとりしてくるのを感じられるでしょう。

空から降るのが雪から雨やみぞれに変わっていき、積雪もとけて水になる。そこからこの時期は「雨水(うすい)」と呼ばれるようになりました。2026年は2月19日~3月4日になります。

雪どけ水は一時的に集中して大量の水があふれる雨と違って、少しずつとけて流れ、じわじわと土にしみ込んでいきます。そのためゆっくりと土に浸透していく間に、土壌中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどが浸出。ミネラルをたっぷり含んだ水となっていきます。

さらに雪は雨と違ってふわふわしていますが、これは複雑な形をした雪の結晶のすき間に酸素が含まれているため。この豊富な酸素がとけ込んでいるのも、雪どけ水の特徴なのです。

このミネラルたっぷり、酸素たっぷりの雪どけ水が木の根元に届くと、厳しい冬をしのいできた木々はおなかを空かせた子どものように猛烈な勢いで吸収。まだ落葉樹には葉がついていないので、吸収した水分は葉の気孔から放出(蒸散)されることなく、ひたすら幹に蓄積。乾いたスポンジのようだった木の細胞は、新鮮な水でみるみる満たされていきます。
そして雪どけ水から得たミネラルは細胞を作る材料となり、酸素から得たエネルギーを糧に新しい細胞をどんどん生み出して、ぐんぐん成長していくのです。

雨水とはこのように、樹木が幹に「いのちの水」とも呼べる雪どけ水を蓄えてゆく季節です。
そして蓄えた「いのちの水」は、やがて枝を伸ばす力となり、葉を広げる力となり、光合成を行う力となり、花を咲かせる力となり、実をみのらせる力となる。これから1年間の成長と繁茂、開花、結実の土台となるのです。
私たちも、これから繰り広げられる春夏秋冬、四季折々、山あり谷ありのさまざまな自然と体の変化を乗り切るために、雨水のこの時期は「体にいのちの水を蓄える」ことをテーマに健康の土台づくりをしていけたらいいですね。
人体において樹木のような役割を持つ「肝(かん)」

自然の世界では木の幹に雪どけ水が蓄えられる、雨水の季節。
これを人間になぞらえると、人体にとって木に相当するのは五臓の「肝(かん)」であり、雨水は肝に「血(けつ≒血液)」が多く蓄えられるときだと考えることができます。
東洋医学には「世界のすべてのものは木(もく)・火(か)・土(ど)・金(きん・こん)・水(すい)の5要素で成り立っている」と考える「五行論(ごぎょうろん)」がベースにあります。五行論はあらゆるものを、この木・火・土・金・水の5つに分類して考えるのが特徴です。
この五行のうち「木」に分類されるのは、樹木が持つ成長、上昇、発散、柔軟、伸びやかなどの特徴があるもの(原則として。例外も多いです)。季節なら春、気候なら風、そして人体の場合は肝が五行の木に分類されています。ほかにも五行をベースに分類したものには、「五腑」「五竅(ごきょう、竅=感覚器・開口部)」などさまざま。代表的なものを以下の表にまとめました。

肝とは右のわき腹に位置する臓。五臓の肝と肝臓はイコールではありませんが、肝臓からも想像できるように肝は物質的には血のかたまりであり、体内で最も多くの血を貯蔵している場所。肝に貯蔵されている血は「肝血(かんけつ)」と呼ばれます。
一方で肝にはエネルギー(気)を上昇・発散させる性質もあり、その働きはとても活発。血を貯蔵する肝の働きを「蔵血(ぞうけつ)」と呼び、エネルギーを上昇・発散させる活発な働きを「疏泄(そせつ)」と呼びます。

そしてこの肝の蔵血と疏泄は、次のような生理作用をもたらしています。
【蔵血】
◎体内の血量と血流を調整する
◎出血を防止する
【疏泄】
◎気・血・水のめぐりをスムーズにする
◎ほかの臓腑の働きを支える
◎精神を安定させる
◎胃腸の消化吸収を促進する
◎男性の射精、女性の月経・排卵
【蔵血と疏泄】
◎目の働きを支えている
◎筋肉・筋・関節の円滑な動きを支えている
肉体の代謝を促して成長していくためには、肝の疏泄の働きが必要です。しかし疏泄を正常に行うためには肝の蔵血も十分に行われていなければなりません。肝の疏泄がエンジンなら、蔵血はいわば燃料。燃料がなければエンジンは動かないように、この時期に肝の蔵血をしっかり行って燃料を十分に補給しておくことは、疏泄がスムーズに行われて心身の健全な成長や代謝を行う上で欠かせないのです。
なお、疏泄については前の節気の立春の記事でもとり上げているので、あわせてチェックしてみてください。
雨水の養生法:肝の蔵血と疏泄をサポートする

雨水の養生法について、雨水の時期を初候、次候、末候の3つの期間に分けた「七十二候(しちじゅうにこう)」に沿ってご紹介していきましょう。
七十二候とは、二十四節気の各節気を約5日ずつ初候、次候、末候に分けた暦で、気象や動植物の生態の変化にもとづいているのが特徴。雨水という約2週間の短い期間の間にも季節の変化があり、その美しい変化のグラデーションを高解像度で教えてくれるのが七十二候です。
雨水の初候、次候、末候は次のようになっています。養生法とあわせてチェックしてください。
◉2月19日~2月22日⋯⋯【初候】土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)
土が潤いはじめる季節です。
森の木々が潤った土から雪どけ水を吸収するように、私たちも肝に血をたっぷり吸収していきましょう。肝血を補う食材であるいか、たこ、赤貝、牡蠣、レバー、たまご、くこの実などをよくとるのがおすすめです。
◉2月23日~2月27日⋯⋯【次候】霞始靆(かすみはじめてたなびく)
かすみがたなびきはじめる季節です。
気温が上がりはじめ、湿った森の大地から水分が蒸発してかすみがたなびくようになります。そこで、水分のめぐりをよくするためにハーブ料理やハーブティーを楽しみましょう。ハーブには気のめぐりをよくする性質があり、気のめぐりをよくすることで水分のめぐりを促すことができます。特にミント、ジャスミン、ローズなどは、肝の疏泄を助けてくれます。
◉2月28日~3月4日⋯⋯【末候】草木萌動(そうもくめばえいずる)
草木が芽を出しはじめる季節です。
木々が吸収していた雪どけ水もいよいよ枝先まで届き、木の芽がふくらみはじめます。私たちも体の末端まで気や血をめぐらせましょう。肝につながる経絡(けいらく=気や血の通り道)は足の親指からはじまるので、親指を中心とした足指グーパー運動をして、肝の気や血を末端までめぐらせます。あわせて足首回しも行うとより効果的です。
参考文献:国立天文台HP 暦計算室 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
画像素材:Adobe Stock、Envato、Canva
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